大手輸送機器メーカー 様 / AI活用による設計不具合撲滅プロジェクト

昨今の製造業においてAI活用が進む中、多くの企業が直面するのが「AIベンダーと設計現場の知識ギャップ」です。 高度な設計判断や過去の不具合要因を、いかにしてシステムが処理できる「データ」や「ロジック」に落とし込むか。 この課題に対し、豊橋設計は設計業務の知見を活かした「ナレッジエンジニアリング」を提供。 設計者の暗黙知を構造化し、AI開発の指針となる「仕様書」を策定することで、プロジェクトを成功へと導いた事例をご紹介します。

Q1. AI活用を進める中で、当初どのような課題を抱えていましたか?

A. 設計特有の背景知識がAIベンダーに伝わらず、要件定義が難航していました。

当社では、設計段階での不具合撲滅を目指し、過去の膨大な不具合事例や設計基準をAIに学習させるプロジェクトを推進しています。しかし、いざ開発フェーズに入ろうとすると、システム開発会社との連携に課題が生じました。

AI開発者はシステムの専門家ですが、設計業務のプロセスや「なぜその数値設定が必要なのか」といった背景までは把握していません。そのため、現場の設計者が要望を伝えても、AIに実装するための具体的な要件として定義できず、プロジェクトが停滞していました。 設計の知見を持たないベンダーに、専門性の高い設計業務のAI化を依頼することの限界を感じていました。
さまざまなAI技術やシステムの導入を検討していました。

Q2. その中で、豊橋設計をパートナーに選ばれた理由をお聞かせください。

A. 「設計実務」と「AI開発」双方の視点から、業務分析ができる点を評価しました。

AI化の第一歩は、設計プロセスそのものを詳細に分析し、必要な情報を洗い出すことです。これには、設計図面の読み解きや、過去の不具合レポートの文脈理解が不可欠です。

豊橋設計さんは、設計会社としての実績に加え、AI開発の知見も有しています。「設計者がどのような手順で業務を行っているか」を深く理解した上で、それを「AIにどう学習させるべきか」というシステム視点で整理できる。この「ナレッジエンジニアリング」の能力を有している企業は希少であり、当社の課題解決に最適であると判断しました。

Q3. プロジェクトにおいて、豊橋設計はどのような役割を担いましたか?

A. 設計者の暗黙知を形式知化し、実装レベルの「仕様書」と「シナリオ」を策定いただきました。

具体的には、設計基準、過去の不具合事例、コスト要因など、AIに学習させるべき全要素の洗い出しと構造化を依頼しました。豊橋設計さんは、現場設計者へのヒアリングを通じ、これまで個人の経験則に依存していた判断基準を言語化。それらを元に、AI開発者と設計者の双方が理解できる「詳細仕様書」や、最終的なシステムの完成イメージとなる「運用シナリオ」を作成いただきました。

単なるコンサルティングではなく、設計者目線で実務に即した仕様をまとめていただけたことが、非常に大きなポイントでした。

Q4. 導入による成果や、今後の展望について教えてください。

A. 開発の「設計図」が完成したことで、社内リソースを活用した実装が可能になりました。

最大の成果は、明確な仕様書が出来上がったことで、その後の開発フェーズが円滑に進むようになったことです。作るべきシステムの内容が定義されているため、実装自体は社内のシステム部門の人海戦術や、既存の汎用AIツールを組み合わせて対応することができます。

もし仕様策定の段階で躓いていれば、高額な外注コストをかけても使い物にならないシステムが出来上がっていたリスクもありました。「設計を知る者が仕様を作る」という最も重要な上流工程を豊橋設計さんに任せたことで、結果としてコストを抑えつつ、実用性の高いAI活用への道筋をつけることができました。